19621119-05

Traneing In (John Coltrane)  (18分38秒)



【この曲、この演奏】

 1961年の欧州ツアーでは演奏されなかったこの曲ですが、1962年の欧州ツアーでは何度も演奏された曲です。2日目の11月17日のパリ公演でも演奏されました。

 ピアノが軽快に弾き始めて、そのままアドリブ・パートに入っていき、4分ほどの楽しいトリオ演奏となります。このトリオ演奏はそのままベースが主役となって続き、合わせて7分弱のトリオ演奏となりました。

 そしてテナー・サックスのコルトレーンが登場し、11分45秒を吹き続けて、この曲の演奏は終わります。このコルトレーンのソロはテーマを短くしてのもので、ほとんどがアドリブ・パートであり、まさに”何かがひらめいた”コルトレーンだったのでしょう。



【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その4】

(コルトレーンの回答の続き)

 だが、もう一度言うがね、私の嗜好性は長いソロに向いている。ソロを短く削るのは嫌なんだ。私がそれを求めているときはいつでも理由がある。そのときの状況によって求められるものが。アポロでもそうだった。あそこではソロをとるにも時間的な制約があった。自分を抑えることを求められたんだ。ただ、夜によっては、プレイを始めた瞬間に何かがひらめいて、これはすごいソロになりそうだと感じることがある。そういう場合にソロをカットするのは非論理的で理不尽だよ。私のアイディアは長いソロの中で膨らんでいく。自分では止められないし、そういうものとして受け止めるしかない。


 1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)



【ついでにフォト】

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2007年 ブリュッセル、ベルギー 


(2022年9月11日掲載)