The Inchworm (Frank Loesser)(10分7秒)
【この曲、この演奏】
1952年の映画「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」の挿入歌であるこの曲をコルトレーンは、この1962年4月11日にレコーディングしました。その演奏はそれから4ヶ月後、そしてこの欧州ツアーの3ヶ月前の8月に、アルバム「(インパルス!の)コルトレーン」に収録され発売されていました。その意味では集まったコルトレーン・ファンにとっては、聴き込んできた曲だったのでしょう。スタジオ演奏と同様に、コルトレーンはソプラノ・サックスでの演奏です。
コルトレーンがソプラノを鳴らし、ベースが加わり、そしてピアノとドラムスが入り、開始から30秒後からテーマが演奏されます。そのままコルトレーンは8分半ほどのソロに突入していきます。テーマを何度か入れながら、楽しさと危うさが交互に顔を出すこの演奏は、凄まじいものです。
他のメンバーのソロはなく、そのまま終わりのテーマとなっていきます。
【エピソード、単独ライブ】
ノーマン・グランツが企画した欧州ツアーだが、1961年のものはディジー・ガレスピーと一緒のものであった。チラシでは主役はガレスピーのようであった。
資料07にあるこの1962年のチラシを見ると、この1962年の欧州ツアーは、コルトレーン・バンド単独でのものだ。この1年間で、コルトレーンの集客力が格段に上がったことを感じさせる話だ。
【ついでにフォト】
2007年 ブリュッセル、ベルギー
(2022年8月25日掲載)