19620926-03

Angelica (D.Ellington)   (6分5秒)



【この曲、この演奏】

 この曲は別名「パープル・ガゼル」の名で知られるエリントンのオリジナルで、フランス映画の為に書き下ろされたものです。(資料09)

 エリントンが用意したこの曲のコルトレーンの演奏記録は本セッションだけであり、またベースとドラムはコルトレーン側の二人が務めています。

 さて演奏ですが、エルヴィンのマレットが叩く軽快なカリプソ風なリズムで始まります。エリントンのピアノがテーマを演奏し、続いてコルトレーンがテーマを吹いています。そして4ビートにバウンズし(資料09)、コルトレーンはアドリブに突入していきます。ここではエリントンが手を休めていて、陽気な雰囲気を維持しながらもテナーを吹きまくっています。エリントンが再び弾き始め、コルのソロには再びテーマが顔を見せ、カリプソ風のリズムの中で後テーマとなっていきます。



【エピソード、スタンレー・ダンスのライナーノーツから、セッション前の様子】

 彼らは皆、馬が合った。どちらも自分のリズム隊を連れてきていた。二人のドラマーは燃料補給のため、すぐに近くのバーへと繰り出した。ベーシストたちは楽しそうに会話していた。そして二人のリーダーは段取りを練った。やがてデュークがピアノにつき、最初の数曲のルーチンをぱらぱらと弾き始めると、ジョンが一本目の細長い茶色の葉巻に火をつけた。期待に満ち満ちたリラックスした空気が熟成され、それは最後まで失われることはなかった。
(資料04にある訳より)



【ついでにフォト】

tp13020-138

2013年 みなとみらい

(2021年3月14日掲載)