19611105-02

Spiritual (John Coltrane)   (20分39秒)



【この曲、この演奏】

 ヴィレッジ・ヴァンガード四日間で最後に収録されたのは「スピリチュアル」で、この曲は四日間全てで演奏されており、この最終日のが最も長い演奏時間となっています。

John Coltrane(ss,ts)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)

Garvin Bushell(contrabassoon)

 演奏メンバーと使用楽器は二日目と同じであり、ガーヴィン・ブッシェルはコントラバスーンで参加しています。

 バスクラとコントラバスーンで雰囲気を作り、コルトレーンのテナーが加わってテーマとなります。ソロはコルトレーンのテナーから始まり、8分間に渡りコルトレーンの気持ちが広がっていく様子がうかがえる演奏となります。またピアノとコントラバスーンが少しのオフはありますが、効果的なバッキングを行ってます。続いてドルフィーの4分半のバスクラでのソロですが、魂を絞り出す演奏です。そしてマッコイのピアノとなるのですが、3分弱の間、この曲の雰囲気を大切にした演奏を行なっています。最後のソロは再びコルトレーンで、今度はソプラノで2分の演奏です。そのままテーマとなり、演奏は終わっていきます。

 この演奏は1977年に世に出ました。




【エピソード、マスター・ナンバー】

 ヴィレッジ・ヴァンガード4日間で22テイクを収録したが、インパルス!がマスター・ナンバーを付けたのは、8つのテイクだけである。

初日    10570 Miles' Mode (The Red Planet) 
                                                   (1977年発売)

二日目 10572 Softly As In A Morning Sunrise 
                                                   (1962年発売)

            10576 Chasin' The Trane(1962年発売)

    10573 Greensleeves    (1977年発売)

三日目 10574   Naima              (1997年発売)

    10575 Impressions     (1979年発売)

最終日 10556 India                (1977年発売)

    10557 Spiritual           (1977年発売)

 1962年、1963年発売の演奏、つまりコルトレーンが生きていた時代に発売された曲だけなら、一部のテイクだけにマスター・ナンバーを付けた理由も分かるが、そうではない。

 以上のマスター・ナンバーについては資料07の記載だが、セッション・ノートには9テイクにマスター・ナンバーとしてある。演奏リストはあくまで上記なのだが、これに初日の「ブラジリア」にもマスター・ナンバーがあるならば、演奏された9タイトル全てにナンバーを付けたことになる。



【ついでにフォト】

tp10022-107

2010年、マレーシア ペナン島の朝

(2021年2月12日掲載)