Greensleeves (traditional) (6分26秒)
【この曲、この演奏】
この年の5月23日の、コルトレーンのインパルス!初レコーディングの冒頭で演奏したのが、この曲です。ヴィレッジ・ヴァンガード四日間では、この日と三日目に演奏されてます。
この曲の登場を考えるとき、何故に「マイ・フェイヴァリット・シングス」ではなくて「グリーン・スリーヴス」なのとなりますが、それはアトランティックとの契約によるとのことです。資料07によればそれは、5年間(いつからとは資料07に記載なし)は「マイ・フェイヴァリット・シングス」を発売できないとの、アトランティックとの取り決めとのことです。この契約について疑問が湧きますが、そういうことで、あくまでレコーディングして発売する前提のヴィレッジ・ヴァンガード四日間ですので、「マイ・フェイヴァリット・シングス」を演奏しなかったようです。(私見)
John Coltrane(ss)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)
この日の四曲目のスタンダードと同様に、ドルフィー抜きでのカルテット、コルトレーンはソプラノでの演奏となっています。
さて演奏ですが、ベースがリードしながらピアノとドラムが加わり、コルトレーンのソプラノが入ってテーマとなりすます。コルトレーンはアドリブを挟みながら印象的なこの曲を演奏し、そのまま1分弱のソロに入っていきます。その後はマッコイの3分のソロとなります。テーマを用いながら幾つもの姿を聴かせるこのソロのは、その後のインパルス!でのマッコイの特徴がある素敵なものです。この後にコルトレーンの30秒ほどのソロがあり、ベースがこの演奏を終わりに導いています。
この演奏は1977年に世に出ました。
【エピソード、ボブ・シール その5】
大手デッカに迎えられコーラル・レーベルを任されたボブ・シールは、デッカの期待に即座に応えた。マクガイア・シスターズ、パール・ベイリー、未来の妻テレサ・ブリューワーといったポップ・スターを使い、シールは次々とヒットを飛ばした。
そしてシールはバディ・ホリーを発掘した。シールには、明らかにこの若いシンガー・ソングライターを捕まえる先見性と社内の抵抗をかわす立ち回りのうまさが備わっていた。彼の記憶では当時、ロックンロールは業界で「カントリーのゴミ」と呼ばれ省みられることがなかった。デッカはホリーに賭けることを厭わなかったが、コーラルがせっかく作り上げた主流レーベルのイメージに悪影響を及ぼすのではと、気を揉んでいた。そこでシールは本社に「だったらブランズウィックから出せばいい」と提案した。こうしてバリー・ホリーはヒットを連発することになった。
デッカ内ではシールの才能を疑う者はいなくなり、社内での彼の立場も固まった。しかし9年間、期待以上のヒットを連発したシールは、それに見合った報酬をもらっていないと感じ始め、1958年3月にデッカを辞した。
【ついでにフォト】
2005年、香港、赤柱での龍舟競漕
(2021年1月24日掲載)