India (John Coltrane) (13分13秒)
【この曲、この演奏】
二日目の二曲目は、初日の冒頭に演奏された「インディア」が披露されました。四日間全てで演奏されているこの曲は、回を重ねるごとに演奏時間が長くなっており、この日は初日より三分近く演奏時間が増えています。
John Coltrane(ss)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Jimmy Garrison(b)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)
Ahmed Abdul-Malik(tamboura)
Garvin Bushell(English horn)
初日同様にダブル・ベースにマリクのタンブーラ、そしてこの二日目にはガーヴィン・ブシェルがイングリッシュ・ホーンで参加しています。
さて演奏ですが、ドラムから入りタンブーラが加わり、そこへベース二本、さらにイングリッシュ・ホーンが加わって、中央アジアの雰囲気を醸し出しています。そこにコルトレーンがソプラノ、ドルフィーがバスクラを吹き始めてテーマになっていきます。コルトレーンの短いソロを挟む点は、初日と同様です。続くのはコルトレーンのソロですが、ベース二本とタンブーラの効果が生きております。3分強のコルトレーンのソロに続き、4分弱のドルフィーのソロが続きます。どちらも祭祀における祈りの様子、静と動のうねりに酔っていく演奏です。なお全体を通してマッコイのピアノですが、参加はしているが何の役割なのかは不明で、耳をそばだてればその存在がわかる程度のものです。
さてドルフィーのソロの後に再びコルトレーンの一分半ほどのソロとなり、ガーヴィンのイングリッシュ・ホーンを契機に後テーマとなり、コルトレーンの短いソロを入れながら演奏は終わっていきます。
【エピソード、ボブ・シール その2】
「彼には良識というものがあったな。当たり前の良識ってやつさ」とダン・モーガンスターンは話す。61年にシールがジャズ誌を立ち上げるのを手伝ったモーガンスターンは、シールを簡潔にこう言い表す。
「彼はベテランのレコード・プロデューサーだった。ころころ変わる仕事の話を老練にさばいてたよ。もともと金持ちの御曹司で、自由な資金を少しばかり持っていたね。自分自身のレーベルもいくつかあったんだけど、レコードの売れ行きはさっぱり。いつも失敗に終わっている。ただタレントのスカウトは上手でね。クリード・テイラーはコルトレーンをインパルス!に連れてきたけど、シールにはその価値を見抜く力があった。彼はコルトレーンといい関係を築いた。
(資料13より)
【ついでにフォト】
2005年、香港、赤柱での龍舟競漕
(2021年1月20日掲載)