Naima (John Coltrane) (7分38秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン・バンドのライブでの重要曲であり、なども演奏されている「ネイマ」ですが、このヴィレッジ・ヴァンガードでは2回だけの演奏となっています。その2回の演奏も、買収後のインパルス!から世に出たものでした。
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(bcl)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)
これがここでの演奏メンバーと使用楽器です。この四日間でコルトレーンのテナー・サックスだけでの演奏曲で、ドルフィーがバスクラを吹いているのは、この「ネイマ」(初日と三日目に演奏)だけです。
さて演奏ですが、まずはテーマ。まさに「ネイマ」なのですが、雰囲気がアルバム「ジェイアント・ステップス」でのそれとは違います。資料09には「ちょうど原メロディをひっくり返した(?)ようなテーマ」とあります。アルバム「ジェイアント・ステップス」のが奥さんのネイマについて深い愛情を込めて語っているとすれば、ここでのそれは、奥さんの素敵なことをさらっと語っているようです。
そんなテーマをドルフィー抜きのカルテットで繰り広げ、その後にドルフィーのバスクラでの2分半のソロとなります。抑えた感情表現のドルフィーは素敵であり、それがエルヴィンのブラシと共に高まっていく場面には聴き惚れます。続くマッコイのソロも、優しく柔らかい演奏がエルヴィンと深い愛の表現と繋がっていく2分強です。
その後にはコルトレーンのソロ、と思ってしまう吹き始めなのですが、そのまま後テーマとなり、印象深い「ネイマ」の演奏が終わっていきます。
この演奏は、1979年に世に出ました。
【エピソード、プロデューサーのタイプ】
まあ、言ってみればプロデューサーには三つのタイプがある。まずはドキュメンタリー作家タイプ・・・。次に頭で音楽を作る「フィル・スペクター」タイプ。・・・そして3番目は、これにはまだ名前をつけていないんだが、「アーティストに尽くす」タイプだ。大抵ジャズ狂かレコード好きが高じてプロデューサーになっている。たとえばジョン・ハモンド、クリス・シュトラークスヴィッツ、アーメットとネスヒのアーティガン兄弟、ボブ・シール・・・。
ジェリー・ウェスクラー、1998年
(資料13より)
【ついでにフォト】
2010年、みなとみらい
(2021年1月17日掲載)