19601026-06

Equinox (John Coltrane)   (8分35秒)



【この曲、この演奏】

 資料07にはこの曲の演奏記録が6回あり、聴くことができるのは本セッションと1961年3月のサザーランド・ホテルのもです。1959年12月2日と1960年10月21日にアトランティックのスタジオ録音で演奏されていますが、何故だかテープは紛失です。ライブでは、1960年9月24日のモントレー・ジャズ祭、1960年7月18日のフィラデルフィアのショウボート、そして1961年3月上旬のシカゴのサザーランド・ホテルでの演奏記録があります。

 「コルトレーン作のモーダルなマイナー・ブルース。こういったミディアム・テンポの曲でリズム隊が創り出す、無機的でありながら異様なまでのテンションを胎んだ音空間は、後に”黄金のカルテット”の最も重要なモチーフとなった」と、資料09に書かれています。

 まさにその通りと感じる文章です。一年間に渡り、この曲をテーマに自分を、そして自分のバンドを創り上げるか、そんなコルトレーンの取り組みが結実したここでの演奏と言えるでしょう。そしてそれは、インパルス時代へと続いていく序章となっています。




【エピソード、コルトレーンのホロスコープ その5で終わり】

 彼の天逝は、多分、麻薬と酒を若い時から始めたせいであろう。が、その前兆は、放縦のしるしである第五宮の冥王星と、死の第十二宮で肝臓を司る木星にもあらわれていた。彼の主三分一座は、土星、天王星、冥王星と、害をもたらす運星ばかりだったので、彼は自分の死をありがたき救済だと思っていたのではないだろうか。

 われわれはいま、水がめ座の活動期に入りつつある。ミュージシャンたちは星占いにとても敏感で、星からの振動波をすかさずキャッチし、自分たちの音楽を通して生命の霊的概念と波長を合わせ始めている。われわれは、ジョン・コルトレーンがその先頭を走っていることに感謝しなければならない。

ホレス・シルヴァー

(以上すべて資料01より)



【ついでにフォト】

tp12001-110

2012年、ペナン、マレーシア

(2020年10月28日掲載、改訂2022年9月27日)