19600610-04

Body and Soul
(Johnny Green, Robert Sour, Edward Heyman & Frank Eyton)  
(7分22秒)



【この曲、この演奏】

 1960年10月24日にアトランティックでレコーディングされたこの名曲ですが、ライブでの演奏もいくつか聴くことができます。公式発売としては、1965年9月30日のシアトル、ブートレグでは1962年6月2日のバードランドでの演奏があります。

 そして1960年6月10日のジャズ・ギャラリー、この曲のアトランティックでのレコーディングの4ヶ月前のライブでも聴くことができます。

 コルトレーンがテナー・サックスでこの名曲のテーマを奏でていきますが、その冒頭部は収録されていないようです。辛口な演奏から始まり、50秒あたりからマッコイの魅力的な演奏を得てコルトレーンは乗っていき、2分前からはコルトレーンらしさの演奏となり、なかなかの3分半強です。

 その後にマッコイが2分弱の軽やかな演奏を行い、再びコルトレーンに戻って、演奏は終わっていきます。

 この曲を含めて、4ヶ月後のアトランティックでのレコーディングを見据えた選曲であり、そしてコルトレーンはメンバーとの相性を試していたことと思います。



【エピソード、ノルウェーのジャーナリスト、ランディ・ハルティンの著書から その10 最後】

 帰りしな、コルトレーンは私の手にそっとキスをした。そして、君がよろしくと言っていたとセシル・テーラーに伝えてもいいかな、と訊いてきた。「そうすれば彼に声をかける口実ができる」とコルトレーンは言った。ジョン・コルトレーンともあろう者が、セシル・テイラーと話すためだけに、ノルウェーから言付けを届けようとしている。そう思うと、私は当惑したが、その後セシルから、ニューヨークでコルトレーンと会ったときに私からの挨拶を受け取った、という話を聞かされた。不可解なのは、この我が家への招待以前に、コルトレーンはテイラーと一緒にレコードを吹き込んでいたことだ。だが、セシルによると、レコーディング・セッション中、彼とは一言も会話を交わさなかったそうだ。コルトレーンはこのことを私に黙っていた。セシルの話が出たときも。


ランディ・ハルティン著「Born Under The Sign Of Jazz(ジャズの星の下に生まれて)」(London: Sanctuary, 1998, 2000)' 157-162ページより (資料04)



【ついでにフォト】

tp12009-177

2012年 ペナン、マレーシア 


(2023年3月27日掲載)