19600410-03

So What (Miles Davis) (10分8秒)



【この曲、この演奏】

 3月21日のパリ公演の前半の部、22日のストックホルム公演での両部、24日のコペンハーゲン公演、4月8日のチューリッヒ公演で演奏されたこの曲が、この日付が変っての10日のアムステルダムでも演奏されました。

 ベースが印象に残るテーマをアップテンポで30秒演奏した後に、マイルスのミュート・トランペットが登場し、3分のソロ・パートとなります。ここでのマイルスには力が戻って来たと感じる演奏です。それに続くのはコルトレーンの3分ですが、これは力を出そうとはしていますが、疲れは隠しきれない演奏です。そしてケリーの3分も、まるでコルトレーンの疲れが乗り移ったような演奏です。

 再びテーマに戻って、演奏は終わっていきます。



【エピソード、ブノワ・ケルサンによるインタビュー その9】

ケルサン
 ジョージ・ラッセルの音楽についてどう思いますか?


コルトレーン
 なかなかの才能だね。彼がやっているような音楽は、最近の流行りのように思える。何枚かレコードも聴いた。エリック・ドルフィが参加しているヤツもあって、いくつかはとても気に入っている。それに彼は、今日のミュージシャンが遭遇する多くの問題をよく理解している。そうした問題の解決に、彼は大いに貢献していくだろうね。


ケルサン
 それで、エリックをあなたのクインテット、あなたのバンドに迎え入れた理由は?


コルトレーン
 いや、彼がふっとやって来てプレイを始めたんだ! (両者が笑う) ホントだよ。ふらっとやって来て吹き始めた。どの仕事だったか忘れたが、そうやって一緒にプレイしたんだ。ホーンを持参してステージに居座ったのさ。あれは確か週末だった。だからその週末はずっと彼と一緒にプレイした。で、次のギグにも現れた。フィラデルフィアだったと思う。彼は「いや、やることがなくってね」と言った。ニューヨークで暇を持て余していたらしかった。だから「ちょっと寄ってみた」んだそうだ。そんな調子でしばらく経ってから、私は言った。「君はもうバンドの一員だよ」ってね。 (両者が笑う) 特に問題はなかった。私は・・・私たちはしょっちゅう電話し合って、音楽談義に花を咲かせていたから。一緒にやるべきだったんだよ。互いに助け合えるだろうし。彼が私をおおいに助けてくれることは分かっていたからね。


ケルサン
 ええ。彼とは「アフリカ/ブラス」のアルバムで一緒にやったんですね?


コルトレーン
 そうだ。あのアルバムで彼はおおいに貢献してくれた。とても助かったよ。


(資料04より、時期は1961年の夏か秋だろうとのこと)



【ついでにフォト】

tp06007-095

2006年 香港 


(2023年6月19日掲載)