19600408-02

Fran-Dance (Miles Davis)   (7分33秒)



【この曲、この演奏】

 1960年春のマイルス欧州ツアー、2日目の3月22日のストックホルム前半の部で演奏されたこの曲が、17日目の4月8日にも演奏されました。

 肩の力を抜いてゆったりと笑顔で語りかけるマイルスのミュート・トランペットでテーマが始まり、アドリブを交えて素敵な1分半です。続くコルトレーンの1分半は思い詰めた表情、そして楽しんでいるケリーの1分半、次にはチェンバースがピッチカートでの独創で穏やかな1分半の演奏を行なっています。

 再びマイルスがミュートで登場し、アドリブからテーマへ1分半演奏して、終わっていきます。

 1曲目の「If I Were a Bell」との対比でも面白く、ツアーも終盤になり、構成がべられてきたようです。



【エピソード、ブノワ・ケルサンによるインタビュー その6】

ケルサン
 そして次のステップでは・・・というのもあのサウンド、「ジャイアント・ステップス」で聴かれた音楽は、私には、ハーモニーの世界の壮大な探検のように思えるんです。あのアルバムの和声構造はちょっと変わっていて、実に新しい。しかし、私が最近聴いたようなあなたの最新アルバム「マイ・フェイヴァリット・シングス」が含まれているアルバムや「アフリカ/ブラス」、「オーレ!」といったアルバムとは別物です。


コルトレーン
 そう、私は学ぼうとしているんだ。自分自身をメロディ的にもリズム的にも拡張しようとしている。今、私がやっていることは、こうした点、つまりリズムやメロディに関する私の考えの結果なんだよ。ハーモニーを完全に卒業したわけではないが、二年前に比べて興味は薄れてきている。


(資料04より、時期は1961年の夏か秋だろうとのこと)



【ついでにフォト】

tp06005-056

2006年 香港 


(2023年6月14日掲載)