19600322-05

So What (Miles Davis) (14分57秒)



【この曲、この演奏】

 セカンド・コンサート最初の曲は、ファースト・コンサートと同様にこの曲となりました。

 さてこの日二度目の「So What」は凛々しさで緊張感が高い演奏となっています。テーマの後のマイルスの4分近くのソロ、それに続くコルトレーンの6分近いソロには、二人の個性の違いを堪能しながらも、二人が見つめる方向が同じであることを確認できるものです。特にコルトレーンのソロは圧巻のもので、会場の熱気からも分かるものです。

 演奏はトリオを楽しむケリーの4分弱の演奏の後に、ベースがリードしての後テーマとなって、終わっていきます。



【エピソード、ブノワ・ケルサンによるインタビュー その1】

ケルサン
 あなたの音楽は一九四〇、いや、一九五七年頃から聞いておりまして、私は・・・


コルトレーン
 へえ?


ケルサン
 ・・・あなたの大ファンなんですよ。その頃からずっと夢中です。あなたは・・・あなたの音楽は革命的だった。ジャズの新たな演奏方法を常に模索してきた。私にはうまく言い表せませんが、ジャズ・ミュージックの概念とかパターンの追求とか・・・


コルトレーン
 つまり、変化していると思うんだね?


ケルサン
 変化し続けてきたと。


コルトレーン
 ああ。


ケルサン
 特にここ数年は大きく変化し、どんどん洗練されていきました。それに新しいパターンも増えましたね。


コルトレーン
 ああ、新しいことを採り入れた。それはジャズにとっては、シーン全体に新たな命を吹き込む意味でも良いことだ。思うに、今の若いミュージシャンの周りには音楽が溢れている。いろんな人のプレイを聴き、そこから何かを取り出して自分のコンセプトに付け足し、自分のやりたいようにできる。自分で何かを生み出すことも可能だろうし、そういった中で、こうした音楽的な拡張は加速していくんだよ。


(資料04より、時期は1961年の夏か秋だろうとのこと)



【ついでにフォト】

tp06001-052

2006年 香港 


(2023年5月28日掲載)