19600322-01

So What (Miles Davis) (10分25秒)



【この曲、この演奏】

 前年の3月2日に行われたアルバム「カインド・オブ・ブルー」セッションで演奏されたこの「マイルス作の代表的モード曲(資料09)」は、マイルスのライブ定番曲になっており、このストックホルムでも演奏されました。

 さてファースト・コンサート最初のこの曲は、謎めいた妖艶で重厚なテーマで始まり、マイルス、コルトレーン、そしてケリーの、それぞれ3分ほどのソロに入っていきます。マイルスは切れ味が光り、コルトレーンは骨太の重みがあり、ケリーはしなやかに身のこなしの、そんなソロが続きます。

 再び、ベースとシンバルが重なる後テーマとなって、演奏は終わっていきます。



【エピソード、この音源発売】

 私的なことを書く。

 ジャズを聴き始めて数年経った1985年に、渋谷にあるジャズ盤専門店で、スウェーデンのドラゴン・レーベルから発売された二つのブートレグLPを買った。

DRLP 73 (Sonny Rollins Trio - In Stockholm 1959 - St Thomas)

DRLP 90-1 (Miles Davis & John Coltrane / Live in Stockholm 1960, 2 LP)

 この2種類のLPは、私が新譜として購入したという意味での初めてのブートレグであった。そして両作品の内容の良さに圧倒され、擦り切れはしなかったけど何度も聴き返していた。学生生活の最後の時期の、思い出でである。

 ロリンズのトリオでの演奏は、1959年3月4日のもである。そしてコルトレーン参加のマイルス・クインテットのものは、この1960年3月22日のものであった。



【ついでにフォト】

tp05050-059

2005年 香港 


(2023年5月25日掲載)