Cousin Mary (alternate take)
(John Coltrane) (5分46秒)
【この曲、この演奏】
鮮烈な「いとこのメアリー」を演奏した後に、その勢いで更に濃い演奏が出来ると考えたのか、もう一度この曲を演奏しています。
その内容ですが、前の演奏を超えているとは言えませんが、決して劣る点はなく、こちらにアグレッシブさを多く感じるものもあります。
資料09ではこちらか本テイクとされなかった理由を、チェンバースのベースのミスとして、テーマ部とベース・ソロ部をあげていますが、私には分かりませんでした。
【エピソード、アルバム ジャイアント・ステップスの評判】
「ジャイアント・ステップス」は多くのレコード批評家の注目の的となったが、その全てが好意的であったわけではない。サイドマンとしてのコルトレーンは常に物議の種となっていたが、リーダーとしても各方面からの批評の的となりつつあった。一部の批評家や、影響力をもった愛好家がコルトレーンに示した熱狂的な支持は、その後のコルトレーンのキャリアに大きな力を与えた。
ニューヨーカー誌のホイットニー・ヴァリエットによる批評。
たとえば、人生の醜悪さえ、美に変貌し得るという驚くべき発見・・・それこそ、コルトレーンの挑戦を受けて立った人たちが、彼の演奏を聴き終えたときに経験するものである。
ミネアポリス・サンデー・トリビューン誌のチャールズ・ハンナによる批評
コルトレーンの音楽はずっと以前から注目に値するものを持っていたが彼自身を表現するのにふさわしい道を見つけたのはごく最近になってからだ。彼はあらゆる可能な音をその構成から絞り出しては、一つのコードを五通りにも演奏するのだ。優れたリズム感ときわめて感動的な音を駆使して、臨床的なサウンドに陥る危険を避けている・・・コルトレーンはついに自分の進むべき道を発見したのだ。
(全て資料01より)
【ついでにフォト】
2010年、ペナン、タイプーサム
(2020年7月27日掲載)