Countdown (alternate take)
(John Coltrane)(4分34秒)
【この曲、この演奏】
この曲の演奏は、結果としては最初のがOKテイクとなりましたが、続けてもう一度この曲の演奏を行いました。
演奏時間は前テイクの倍近くとなり、それはコルトレーンのアドリブ・パートが増えたからであり、その中身は前テイクのそれに対して殺気が加わったものです。
両テイク共に聴きごたえあるものですので、アルバム「ジャイアント・ステップス」にどちらのテイクを加えるかは、アルバム全体の構成を考えてのものだったと思います。
【エピソード、訴え組曲】
資料07に、1995年11月12日に行われた、コール・ポーターによるトミー・フラナガンへの、電話によるインタヴューが掲載されている。
それによれば、「Giant Steps」「Countdown」「Sweet Sioux」の3曲は、組曲となる予定だった。その組曲は「Suite Sue(訴え組曲)」と名付ける予定で、それは古い曲である「Sweet Sue」の語呂合わせであった。
私見ではこの組曲の一つは「Giant Steps」ではなく、この日に演奏された「Spiral」であったのではと思う。「Sweet Sioux」が聴けないだけに何とも言えないが、「Spiral」と「Countdown」というスピードとスリル感を追求した曲にも、同じ毛色を感じるからだ。
【ついでにフォト】
2010年、ペナン
(2020年5月29日掲載)