Angel Eyes (Earl Brent - Matt Dennis)
(4分46秒)
【この曲、この演奏】
「弾き語りの名手、マット・デニスが作曲した、ブルース・バラードの傑作」(資料14)とのこの曲ですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料07)です。
さて演奏ですが、ピアノが頑張って弾き始め、ドレイパーがテーマを渋く吹き始めます。このメロディにはチューバが合うなと感心した次には、コルトレーンがこのメロディを引き継いで演奏し始めると、コルトレーンのバラードでの表現力に感嘆します。この後もこの二人がメロディのキャッチボールを繰り返し、この曲の素晴らしさと、二人の管楽器奏者の個性に感じ入って、演奏は終わっていきます。
【エピソード、アイラ・ギトラーの言葉】
私がコルトレーンについて初めて書いた文章が「ダウン・ビート」に掲載されたのは、一九五八年十月十六日発行の号だった。その中で私は彼の音楽を「シーツ・オブ・サウンド」だと評した。それは、彼の音楽の構成密度が実に濃厚だったからだ。彼の多音からなる即興演奏は極めて重厚で、かつ複雑でもあり、無数の音がそれ自身の力でサキソフォンから流れ出てくるような感じがするのだった。瞬時も停止することなく、新しいアイディアが音となって次から次へと飛び出してくるのに、私はまったく心を打たれた。まさにそれは超人的なわざで、そこに費やされるエネルギーでなら、宇宙ロケットをとばすことも可能だと思われた。(資料01)
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年6月25日掲載)