If I Were a Bell (F. Loesser)
(8分29秒、前後の17秒の拍手含む)
【この曲、この演奏】
この時期のマイルス・バンドではお馴染みの曲であり、アルバム「リラクシン」(1958年3月発売、Wikipedia)に収録された1956年10月26日の演奏が有名なものです。
アップテンポで始まり、マイルスのミュート・トランペットが光るテーマ、そしてソロになっています。この3分間ですが、途中でトランペットの音を他のマイクで拾っているようで、音が小さくなっているのが残念な点です。
続いてコルトレーンの2分45秒のソロとなります。これについて資料09には、「例のシーツ・オブ・サウンドで強力に迫るが、そのスピードたるや信じられないもので、とうてい普通のテナー・プレーヤーでは吹きこなせないと思われる程のものだ」とあります。少々過剰表現かなとも思いますが、確かにコルトレーンの演奏には速さと迫力と表現力を感じるものです。この日にはお偉いさんも顔を揃えていたかと思いますが、しっかりとコルトレーンの存在感を印象付けたことでしょう。私がお偉いさんならば、すぐに契約に走ったことでしょう。
演奏はエヴァンスのソロの後に後テーマとなり、再び収録音量が低いマイルスの演奏で、最初の演奏が終わっていきます。
【エピソード、この日の演奏会について】
資料09には次のようにある。
この日の演奏は、プラザ・ホテルで開かれた CBS の関係者を前にしてのセッションで、本来レコード化を目的としたものではなく、少々音質に問題があるが、ライブの熱気を伝えるものとしては貴重。
また資料07によればマイルス・バンドの他に、この演奏会に次の方々が出演していた。
デューク・エリントン楽団、ビリー・ホリデイ、バック・クレイトン、ジミー・ラッシング
コルトレーン、アダレイ、そしてエヴァンスが入ったマイルス・バンドとしては、この年の5月26日にスタジオで、7月3日にニューポート・ジャズ祭で演奏を行っており、この日のはそれに次ぐ演奏が聴けるものである。この間にジャズクラブなどでも演奏を行っており、その一部はブートレグで聴くことができる。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年5月28日掲載)