Come Rain Or Come Shine
(Mercer - Arien) (8分44秒)
【この曲、この演奏】
マーサーとアーレンによって書かれた曲で、1946年のミュージカル「セントルイス・ウーマン」で使われた曲です。「私はあなたを他の誰より愛するわ、雨が降っても晴れても。山のように高く、川のように深く愛するわ、降っても晴れても」との歌い始めのこのバラッドは、多くのジャズマンが取り上げている、人気曲であります。(資料14)
コルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションと前年の9月のブルー・ノートでのソニー・クラークのセッションの、2回あります。
踊りたくなる曲をミディアム・テンポで楽しく演奏しています。コルトレーンのソロは、後にシーツ・オブ・サウンドと呼ばれる神速の音の重なりをこのスタンダードに取り入れようとしていますが、どこか中途半端な出来です。素直にこのテーマを大事にした吹き方にすれば、ここでの演奏がこの曲の代表となったのでしょう。ガーランドはここでは自分の世界に引き込む演奏、そしてこのセッションでは霞んでいるバードがなかなかの演奏を行い、最後にバードにコルトレーンが絡んで演奏は終わります。
【エピソード、ネイマとの結婚】
ネイマと知り合って1ヶ月が過ぎたある日、コルトレーンはネイマにわれわれは結婚することになると言った。それはすでに決まったことを伝えるといった口調であった。実に素っ気ない口調であった。「どうして結婚するってわかるの? あなたはまだ私にちゃんと求婚さえしてないのよ」と、ネイマはなじるように言った。するとコルトレーンは「じゃ、今からするよ」と、静かな声で正式に求婚した。
結婚は1955年10月3日、コルトレーンがマイルス・バンドで初めてのレコーディングをした月であった。
【ついでにフォト】
2007年、アムステルダム
(2019年11月27日掲載)