19571220-04

Two Sons (Ray Draper)  (5分23秒)



【この曲、この演奏】

 ドレイパー作の曲で、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料06)

 昭和の歌謡曲の匂いのするテーマで、心惹かれるメロディを、チューバとテナーで仲良く演奏しております。最初のソロは何とピアノのコギンズですが、マイルスに声を掛けられるだけあって、無難に大役を果たしています。そしてドレイパーからコルトレーンとソロが続くのですが、何ともその対比の妙味に聴き入ります。資料09ではこの対比を「コルトレーンの小気味良いテナーが出てくると、カタルシスを覚えてしまうのは、ドレイパーには可哀そうだがやむを得まい」とあります。ジャズ喫茶でしかめっ面で聴くならこのコメントに頷けますが、自宅で気軽に楽しく聴いていれば、ドレイパーの存在も味のあるものとなります。



【エピソード、ボスティックからの学び】

 「サキソフォンはプラスチック製ではない。簡単に形を変えることはできない。となれば答えは一つ、君の指を変えることだ」

 コルトレーンはボスティックにいろんなことを質問し、ボスティックは時間の許す限りその質問に答えた。またコルトレーンの指が並の人間よりはるかに長いことから上記のことを言い、サキソフォンのそりに合わせて指を曲げる奏法をコルトレーンに教えた。

 楽旅での車移動の際にはボスティックが運転していたが、そこでもコルトレーンはボスティックに質問を浴びせていた。

 「手帳をよこしな。この先の断崖絶壁から真っ逆さまに転落する前に、君の知りたいコード変化のことを書いてやるから」

 こう言われてコルトレーンはようやく質問を止めるほどであった。(資料1)



【ついでにフォト】

tp05019-037

2005年、香港


(2019年11月3日掲載)