19571129-05

Epistrophy
(Thelonious Monk - Kenny Clarke)
(4分27秒)



【この曲、この演奏】

 最初のステージでの最後の曲となりますが、記録に残っているコルトレーンのこの曲の演奏は3回あり、どれもモンクのバンドでのものです。最初は1957年6月26日のリヴァーサイドでのスタジオ・セッションで、アルバム「モンクス・ミュージック」に収録された演奏です。2回目は本ライヴ、そして3回目はジョニー・グリフィンの代役でファイヴ・スポットに出演した1958年9月11日のものです。

 演奏の出だしではメンバー間の少しの行き違いがあったように感じますが、テーマでコルトレーンが踏ん張り、この曲の特徴をしっかりと演奏しています。そのままコルトレーンのソロとなりますが、こちらには先を行き急ぐような演奏であり、少し浮いたような感じがあります。これに続くモンクのソロには激しさを感じる場面があり、すぐにテーマとなって、最初のステージが終わっていきます。



【エピソード、報道 その3】

 1957年12月26日発売のダウンビート誌にこのコンサートについて触れられており、そこにはラジオ局「Voice of America」でこのコンサートが放送されたとある。しかしながら放送された事実を裏付けるものはない。しかしコンサートは録音されており、そのテープは恐らくは半世紀近く再生されぬままとなり、最終的には2005年に「the Livrary of Congress」で発見され、その2005年にCD発売された。(資料07)

 まず国営放送である「ヴォイス・オブ・アメリカ」で放送されていたならば、好事家のエアチェックが、もっと早い時期に公になっていただろうし、このコンサートの存在も有名なものになっていたと思う。そうすると、資料07にあるように、放送はされなかったと考える。

 そしてそのテープが見つかったのは「米国議会図書館」であったことは、興味深いものだ。



【ついでにフォト】

tp13076-170

2013年、みなとみらい


(2022年3月15日掲載)