19571115-03

Woody'n You (Dizzy Gillespie)   (6分51秒)



【この曲、この演奏】

 ガレスピー作のビ・バップの名曲であり、コルトレーンはマイルスのマラソン・セッション後半でこの曲を演奏しています。コルトレーンにとってはプレスティッジでの2度目のこの曲の演奏であり、正式スタジオ録音としてはこの2回の演奏だけになります。これはガーランドも同様であります。

 さて演奏ですが、クインテットが一丸となって疾走する姿は、聴いている方も気分が良いものです。その中でドナルド・バードの下り坂を走るような演奏っぷりは、楽しいものです。一方でコルトレーンは上り坂を無理に走っているようでもあり、考え過ぎかも。ガーランドの余裕感あるソロ、そして流石のテイラーとの4小節交換で、この演奏は終わっていきます。



【エピソード、1948年、カル・マッセイとの出会い】

 カル・マッセイは若くしてプロ活動を行なっていた。二十歳になったマッセイは父のいるフィラデルフィアに戻り、横丁を歩いていると、近くのガレージからものすごいバンドの演奏が聴こえてきた。また非常に個性的でよく通るアルト・サックスの音も聴こえたので、ガレージの中に入った。演奏していたヒース兄弟バンドにトランペットを見せて、一緒に演奏させてくれと頼んだ。このマッセイの申し入れをヒース兄弟は快く受け入れ、一緒に演奏したのであった。休憩の時にマッセイはジミー・ヒースにもう一人のアルトは誰かとたずね、ジミーは「ジョン・コルトレーンだよ」と答えた。

 これがマッセイとコルトレーンの親交の始まりであり、これはコルトレーンの葬儀でマッセイが「A Love Supreme」の詩を朗読するまで続いたのだった。(資料01を参考)


【ついでにフォト】

tp08063-145

2008年、みなとみらい


(2019年10月3日掲載)