19570920-02

Dealin' (Mal Waldron)   (10分19秒)



【この曲、この演奏】

 続けてこの曲が演奏されています。

 展開はテイク1と同じです。演奏時間はこちらが3%長く、その意味ではテイク1よりややスローと言えるのですが、聴く分には違いは感じられません。こちらの方がテナー三人の個性が豊かかなとも思いますが、ただリラックスしているだけとも感じる演奏です。

 つまりは私には、なぜ別テイクを録tたのか分かりません。出来るだけムダを省いた録音を信条にしているプレスティッジだけに、その思いは一層です。




エピソード、楽旅でのコルトレーンの姿、1947年】

 好きな音楽で収入を得るためとは言え、町から町、ホテルからホテルの生活はコルトレーンにとって、寂しいものであった。その寂しさをコルトレーンは、酒とタバコで癒していた。タバコはこの時期には一日二箱も吸うようになり、バーボンで心の高揚を得ようとしていた。まだ若いコルトレーンにとっては、酒で心の高揚が得られると考えていたのである。

 そして楽旅でのコルトレーンの楽しみは、美味しいスィート・ポテト・パイにありつくことであった。それぞれの町に美味しいスィート・ポテト・パイはあるのだが、楽旅の間にそれにたどり着くのは簡単ではなかった。

 ジョージア州の小さな田舎町でコルトレーンは、運良く大きなスィート・ポテト・パイを3つも手に入れた。ホテルの部屋でその三つを一気に食べたコルトレーンを待っていたのは、胃痛ではなく歯の痛みであった。(資料01)


【ついでにフォト】

tp09019-090

2009年、みなとみらい


(2019年8月31日掲載)