With a Song in My Heart (take 1)
(Lorenz Hart - Richard Rodgers)
(7分55秒)
【この曲、この演奏】
この曲は、リチャード・ロジャース = ロレンツ・ハートの1929年のミュージカル「スプリング・イズ・ヒア」中のナンバーです。(資料14)
ドリス・デイの歌唱でも知られており、またロリンズやマル・ウォルドロンの演奏も有名なところです。
この曲のコルトレーンの演奏記録はこのセッションだけ(資料07)であり、それはソニー・クラークも同様(資料08)です。
このセッションで3回演奏されている曲ですが、この最初の演奏自体はアルバム「ソニーズ・クリブ」には収録されず、1988年のCD発売で追加される形で発売されました。
さて演奏ですが、ここではトランペットのドナルド・バードが主役となっています。バードのトランペットがテーマを奏で、そのままバードのソロに突入、そしてコルトレーンとフラーにソロは引き継がれていきます。その後に管楽器3人がそれぞれドラムスとの4小節交換を行い、再びバード主役のテーマとなり、演奏が終わっていきます。
アップテンポの演奏での演奏ですが、まだメンバー間で熟れていないのかなと感じるものがあります。
なおクラークのソロがありませんが、これは編集でカットされたとのことで、理由は「Speak Low」と同様とのことです。(資料07)
【エピソード、コルトレーン語録 その6】
「ジャズ仲間から実験精神旺盛なことでは人語に落ちないと言われているコルトレーンが、最近デューク・エリントンと一緒にアルバムを吹き込んだ。『楽しかったですか?』と訊くと、コルトレーンはこう答えた。『楽しいどころか、怖くて死にそうだったよ!』」
ラルフ・J・グリーン著 ”冒険を恐れない男、コルトレーン” 「サンフランシスコ・クロニクル」紙、一九六三年三月二十九日版
(資料04より)
【ついでにフォト】
2011年 ペナン、マレーシア
(2022年2月14日掲載)