19570816-02

Trane's Slow Blues (Slowtrane)
 (John Coltrane)    
(7分19秒)


【この曲、この演奏】

 続けて「Trane's Slow Blues」と題された曲が演奏されています。このセッションでは4曲が収録され3曲はアルバム「ラッシュ・ライフ」に収録されましたが、この演奏は「Slowtrane」と曲名を変えて、アルバム「ザ・ラスト・トレーン」に収録されました。

 1stテイクより1分以上テンポを落としての演奏です。「もう少しゆったりとやったら、どうなるかな」との思いで、この2ndテイクの収録となったのかもしれません。結果としては、1stテイクよりも気迫が薄まったように感じました。



【エピソード、チャーリー・パーカー】

 1946年にコルトレーンは、パーカーの演奏に接し、またパーカーと話しをした。正確にはベニー・ゴルソンがコルトレーンを連れて、ブロード通りとローカス通りが交差するところにあるアカデミー・オブ・ミュージックに、ガレスピーバンドを聴きに行ったのである。二人は天井桟敷の最後列一つ手前の一番安い席に陣取った。この時のことをゴルソンは次のように語っている。

 「細い縦じまの服を着た背の低いずんぐりした男が舞台に姿を現した。バンドは休憩をとり、それに代わった彼が背筋を伸ばしたかと思うとアルトを吹き始めた。ジョンはその演奏のすべてをたとえひとつの音でも聴きもらさないように天井桟敷から耳を傾けていた。ホールを埋めつくした観衆は感激のあまり立ち上がり、叫び声をあげたり、手を叩いたり足を踏みならしていた。コルトレーンはそれまで、サキソフォン奏者がそういた演奏をするのを聴いたことがなかったのだ」(資料01)


【ついでにフォト】

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2007年、アムステルダム


(2019年7月27日掲載)