Time Was
(Luna de la Fuente - Prado Russell)
(7分28秒)
【この曲、この演奏】
この曲は1936年に作られ、1941年に歌詞がつき、トミー・ドーシー楽団の録音がヒットしました。その時に歌っていたヘレン・オコンネルの再録音が歌ものでは聞きものであり、インスト物ではパウエルやケニー・バロンの録音もありますが、コルトレーンの初リーダー作が注目です。(資料14)
コルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。
明るく元気にとのタイプの曲で、アルバム構成には必要なタイプの曲言え、演奏もその通りのものです。マイルス抜きの元マイルス・クインテットの演奏ですが、コルトレーンにとっては五ヶ月ぶりの旧友との演奏は楽しいものだったのでしょう。
【エピソード、各資料からこのセッション】
「コルトレーン30才にして初リーダーアルバムを吹き込む。ジャケット写真は57年5月31日(金)、NJ州ハッケンサックのRVGスタジオの裏庭で撮影」とのコメントを添えて資料12には、エズモンド・エドワーズ撮影の白黒ベタ焼きが29コマ掲載されている。演奏風景が18コマ、裏庭でのコルトレーンが11コマだ。この裏庭11コマ中、ジャケで使った撮影設定は7コマあり、やはりジャケ使用コマが良いものだ。しかし斜に構えて顔は正面のポーズにペンで四角に手書きしているコマがあり、ひょっとしたらジャケ用の最初の候補はこのコマだったかもしれない。
演奏18コマの中に、スプローン一人のトランペット演奏風景があり。資料11の「ジャズ史上これ以外は全く知られていない」とのスプローン紹介が正しいならば、このハンチングを被ったスプローンの演奏風景は、彼のプロのジャズマンとしての活動を捉えた唯一の写真かもしれない。
【ついでにフォト】
2008年、みなとみらい
(2019年7月9日掲載)