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Potpourri (Mal Waldron)    (6分37秒)


【この曲、この演奏】

 ポプリとは知っている言葉のようで、私はその中身を知りませんでした。日本語では「室内香」、ウィキペディアによれば「花や葉・香草(ハーブ)、香辛料(スパイス)、木の実、果物の皮や苔、精油またはポプリオイルなどの香料を混ぜあわせて容器に入れ熟成させて作る室内香のひとつ」との事です。更にウィキペディアでは「語源はフランス語で(ごった煮料理)を意味したpot pourri(直訳=「腐った鍋」)で、多様な材料を混ぜてつぼに入れて作ったことに由来する」との説明がありました。

 英語での「Potpourri」には室内香の他に、「混合曲、文集」との意味があり、この語源がは室内香と同じなのでしょう。では「混合曲」とは何かと調べたら、「メドレー」とのことです。

 さて演奏ですが、ビ・バップの一体感を楽しさの中に感じさせる、スピード感あるものです。マクリーンとハードマンのソロは、最初は手探りの様子がありますが、後半には上手くスピードに乗ったものです。コルトレーンはテーマで示した余裕感をそのまま維持し、脂の乗ったソロを展開しています。このホーン陣3人を活かすアレンジを示したマルも、流石と思う演奏でした。


【エピソード、このセッション】

 マル・ウォルドロンをリーダーにしたセッションで、コルトレーン参加のマルのリーダー・セッションという意味では初めてのものである。(前月のオール・スターズ・セッションの捉え方によっては2度目となる)

 ここで注目なのは、アルト奏者のジャッキー・マクリーンのだ。コルトレーンもマクリーンもプレスティッジ所属なのだから何度もの共演があって当然と思うが、資料06によれば二人の共演記録は生涯で本セッションだけとなる。

 さて資料11ではこの前日のセッションの内容を低く評価していたが、この日のセッションについては次のように書いてある。

 「良いミュージシャンを集め、取り組みがいある曲を録らせても、十分なリハーサルがないとどうなるかを例証しているかのようだ」

 プレスティッジと言えば「十分なリハーサルがない」のが定番であるが、ジャズ愛好家が愛情を寄せる作品を多数残している。資料11の4月18日とこの日の書き手は他とは別人だと思えるものと感じるが、これは聴き手の評価に任せるしかない


【ついでにフォト】

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2006年、香港


(2019年6月1日掲載)