19570418-03

Minor Mishap (Tommy Flanagan)
(7分26秒)


【この曲、この演奏】

 トミフラ作のこの曲は、本セッションが初披露となります。この後はトミフラ自身はこの曲を演奏することはなかったようですが、1980年代に入り、突然とこの曲を演奏し始めております。

 コルトレーンにとってはこの曲は本セッションだけでの演奏です。

 「些細な災難」との意味のこの曲名ですが、資料09が指摘しているように、曲調と曲名をかけて「Minor」を使っているのでしょう。

 ハードバップの燃える心が勢い込んでいる演奏で、コルトレーン、バレル、シュリーマン、そしてトミフラと続くソロは、ハードバップの粋が現れているものです。資料11の「心ここにあらずのコルトレーン」は、その勢い込みの過ぎたるを表した表現と、良い風に解釈します。


【エピソード、高校時代のコルトレーン】

 父親の死後にコルトレーンは母親と急速に仲良くなった。彼は思春期の心の秘密をメアリーを含めた他の誰よりも母親とまず分かち合った。

 その母親だが、より良い収入を求めてアトランティック・シティに出稼ぎに行った。このためコルトレーンは親戚の家に住み、祖母を含めて親戚数人で暮らしていた。ある意味でコルトレーンは孤独であったが、寂しいとは思っていなかった。子供の頃からのコルトレーンは多人数の家族の一員として暮らすのに慣れていたし、時の経過で身辺の人が死んだり、遠く別れて住むようになることを経験して来たのであった。(資料01)


【ついでにフォト】

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2007年、みなとみらい


(2019年5月30日掲載)