19570413-01

The Theme (Miles Davis) (1分32秒)



【この曲、この演奏】

 マイルスのライブで使われるこの曲ですが、スタジオでも「小川のマイルス」と「マラソン前半」でこの曲が収録されています。

 この曲の持つうねりをマイルスのトランペットが響かせ、コルトレーンはそこへの味付けで加わり、ステージの始まりを告げる演奏となっています。



【エピソード、1957年のマイルスとコルトレーン】

(資料07から)

1月4日から17日 Jazz City, Hollywood, LA
1月22日から2月10日 Blackhawk, SF
2月13日 Syria Mosque, Pittsburg
2月15日から23日 Peacock Alley, St. Louis
2月27日から3月10日 Preview's Modern Jazz Room, Chicago
3月or4月 Midway, Pittsburg
3月26日から31日 Comedy Club, Baltimore
4月5日から14日 Café Bohemia, NY


 1955年から始まったマイルス・クインテットでのコルトレーンの活動(第1期)であるが、その最後はカフェ・ボヘミアへの出演であった。マイルスからクビを言い渡された時期については、諸説があり、明確には分からない。

 まずこの4月5日から14日の間でのことの説には説得力がある。資料07によればマイルスはカフェ・ボヘミアと4月28日までの出演を約束していたが、それを早めて終了させている。4月14日に何かあったのかもしれない。

 
 資料01では、クビを言い渡されたのは1956年終盤とある。とするならば1957年に入ってからの4月までの活動は、契約履行のために一緒に演奏したとのことだろう。一見すると無理がある1956年終盤クビとの話だが、コルトレーンの活動を見るとそうとも言い切れない。

3月22日 Prestige All Stars でレコーディング

4月6日 Blue Note でグリフィンのレコーディングに参加

4月16日 Riverside でモンクのレコーディングに参加

 コルトレーンの1957年の主たる活動となるプレスティッジとのレコーディングや、モンクとの活動が既に入っていたのだ。これを考えると、1956年終盤にコルトレーンはマイルスからクビを言い渡されたが、何らかの約束を守るために1957年4月までマイルスと活動していたとの話にも、納得できる。


 いずれにしても、クビを言い渡した際のいざこざを含めて、「諸説あり」とのことなのだ。



【ついでにフォト】

tp05053-030

2005年 香港 


(2023年4月28日掲載)