19561130-02

Soultrane (Tadd Dameron)   (5分24秒)


【この曲、この演奏】

 清廉さと風雅な感じのこの曲は、ダメロンがコルトレーンの名前を入れて作った曲です。コルトレーンのために作った曲かもしれません。

 コルトレーンのこのバラッドでの演奏は、言葉の綾を身に付けた演奏になっています。この1956年という時の、先頭を走るテナー・サックス奏者になってきているものです。実にお見事、何度でも聴き入る演奏です。そこに添えるダメロンのピアノが、コルトレーンの演奏を更に鮮やかなものにしています。

 この後の進歩を続けるコルトレーンの節目に、この曲をもう一度演奏して欲しかったと思うのは、私だけではないでしょう。


【エピソード、中学に時にコーラスを聴くことに夢中】

 コルトレーンは中学の時に、ハイスクールの講堂でコーラスをよく聴いていした。そんな時には、母親と従妹のメアリーが一緒だった。透き通るような美声のコーラスを聴くことが、この時のコルトレーンの大きな楽しみだったのだ。特に熱心に耳を傾けたのは、黒人霊歌であった。

 コルトレーン自身も一度コーラスの一員になろうとしたが、彼の声はあまりにもためらいがちで音程も悪く、入団するのは無理であった。(資料01)


【ついでにフォト】

19561130-02

2006年、香港


(2019年3月10日掲載)