19561026-09

Tune Up (Miles Davis)    (5分44秒)


【この曲、この演奏】

 マイルス作とされているアップ・テンポのこの曲については、資料06によればコルトレーンは3回の演奏記録があります。2度目の演奏は本セッション、3度目は1956年12月のフィラデルフィアでのマイルス・バンドでのライブで、後に発掘盤で世に出ました。そして最初のものは、1947年のEddie Cleanhead Vinson のバンドでの演奏記録となっています。(Cleanheadバンドでのこと、R&Bバンドでのコルトレーンの活動は、別機会に書きます)そしてこの1947年の演奏が、コルトレーンの最初のテナー・サックスによる演奏記録であります。またここで演奏された「Tune Up」は、Vinson作となっています。

 マイルスは何度もこの曲を演奏していますが、最初の演奏記録は1953年のものです。

 さて演奏ですが、全員が飛び跳ねるような軽快な演奏です。マイルスのオープン・トランペットが縦方向ならば、コルトレーンの演奏は横方向の揺れであるように感じ、このフロント二人の個性の対比の風味が生きており、このバンドの個性の強さが感じられるものです。


【エピソード、”クリーン”なのはマイルスだけ】

 この時期のマイルス・クインテットで薬にクリーンなのは、マイルスだけであった。マイルスは1954年のニューポートで好評を博する前に、麻薬を打つ習慣とは手を切っていたのである。

 しかしながら他の4人は相変わらず麻薬を売っていた。それは薬中毒フィリー・ジョー・ジョーンズの影響も強かったとの事だ。(資料01)


【ついでにフォト】

19561026-09

2005年、香港


(2019年3月6日掲載)