Half Nelson (Miles Davis)
(4分47秒)
【この曲、この演奏】
資料14にこの曲に関する面白い話があります。マイルスがパーカーとのサヴォイ・セッションのためにこの曲を書きましたが、ベース奏者ネルソン・ボイドが作った「レディバード」という曲をヒントにしているため、「半分はネルソン」との曲名にしたとのことです。
このビ・バップの有名曲ですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけであります。
マイルスのオープン・トランペットはビ・バップに揉まれて来た方だけに、流石のグルーブ感です。それに絡んで行くコルトレーンのドライブ感も、マイルスと同じ土俵での演奏になっています。スピード感勝負のこの曲を、軽快に決めた演奏であります。
【エピソード、ヤク中・アル中のコルトレーン】
フィラデリフィアに、ジョンや他のミュージシャンが仕事終わりに集まる「パットの店」という、サンドイッチ屋さんがあった。ここの売り物はホーギーであり、それは長さ2フィート(約60センチ)のイタリアパンを縦に切り開いて具を詰め込んだものであり、潜水艦型サンドイッチである。
この1954年頃のコルトレーンは、体力を回復させるために人一倍食べていた。なぜ体力を回復させる必要があったかと言えば、それはコルトレーンが酒とヘロインを常に大量に体に入れていたからである。それで元気がなくなり体がだるくなり、体力回復策を図っていたのである。(資料01)
【ついでにフォト】
2005年、香港
(2019年3月1日掲載)