Dear Ann (Paul Chambers) (4分16秒)
【この曲、この演奏】
このセッションでリーダーのチェンバース作の曲はこれで3曲目となりますが、コルトレーン入りの演奏となると、この曲だけとなります。
このセッション最後のこの曲ですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。
さて演奏ですが、バレルのギターの響きを生かしてから、バードのトランペットが光る、心落ち着くテーマの演奏となります。「チェンバースが彼の妻に捧げて作曲したバラード」(資料09)との思いが伝わってくる演奏を、コルトレーンを抜きにして行っています。
ソロは、シルヴァー、バレル、チェンバースと続き、再びバードのトランペットの暖かさでのテーマで、演奏は終わっていきます。
コルトレーンは最後の2秒ほどで、マイクから距離を置いてテナー・サックスを軽く吹くだけでした。
【エピソード、チェンバースがきっかけ?】
一九五七年に入って、ついにプレスティッジはコルトレーンとリーダー・アルバムを作る契約を交わした。ポール・チェンバースのレコードで彼が初めて示したコンポーザーとしての才能がプレスティッジの決断を促したのかもしれない。一九五七年四月九日に取り交わされた契約は、一アルバムに対してわずか300ドル、年間三枚のアルバム制作という内容だった。
(資料03)
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年1月12日掲載)