19560420-03

Nixon, Dixon and Yates Blues
(improvisation)   
(8分26秒)



【この曲、この演奏】

 「テーマはなく、ストップ・タイムを効果的に使ってソロをリレーするブルース・ナンバー」(資料09)とのこの曲は、即興的なもので作者はおりません。また曲名の由来も確認できませんでした。コルトレーンの演奏記録は、当然ながら本セッションだけです。

 さて演奏ですが、バリトン・サックスが愛のバラードを決めて始まり、トロンボーンが人生の切なさを語って、テナー・サックスが未来が明るいのか暗いのかを考えているような演奏をし、ベースがテナーにつられて思い詰めた気持ちをピッチカートでだして、最後は三管それぞれとドラムスの八小節交換を決めて、ジャズ・セッションが終わっていきます。



【エピソード、参加メンバー】

 マイルス・バンドからの参加となるチェンバースとフィリー・ジョーとのコルトレーンの共演は多数ある。

 本セッションの目玉である三管を担う、フラーとアダムスとのコルトレーンの共演も、少なからずある。ではこの三人での共演もそれなりにあるのか思いながら資料07で調べたところ、フラーとアダムスとのコルトレーンの共演は本セッションだけであった。

 本セッションで演奏された3曲の中の1曲には、ローランド・アレキサンダーがピアノで参加している。このアレキサンダーはサックス奏者としてプロ活動した方で、1960年代に入ってからのマックス・ローチのバンドでの活動が知られている。NYに進出したのは1958年のことで、それまでは生地であり、このセッションが行われたボストンで演奏活動をしていた。(新・世界ジャズ人名辞典より)

 ここからは想像だが、アレキサンダーは子供の頃にピアノ教育を受けていたのであろう。ボストンでサックス奏者として演奏しながら、ピアノの仕事の声が掛かればそちらでも演奏していたのだと思う。コルトレーンがアレキサンダーと共演したのは、本セッションだけである。(資料07)



【ついでにフォト】

tp05022-004

2005年 香港


(2021年12月16日掲載)