19551026-11

Ah-Leu-Cha (take 5)(Charlie Parker)
(5分23秒)



【この曲、この演奏】

 先の最初の録音でパーカーのこの曲を最後まで演奏したのですが、その後に4回の録り直しを行いました。2回目はフォルス・スタートで3回目はブレイク・ダウンでした。4回目と5回目は最後まで演奏しました。私が持っているアルバム「Miles Davis & John Coltrane / The Complete Columbia Recordings 1955-1961」には5回目が収録されています。

 その5回目ですが、1回目よりも速度を上げての演奏です。余裕のマイルスを必死で追いかけていくコルトレーンによるテーマ、その後の蝶のように舞うマイルスのソロ、そしてコルトレーンの懸命に演奏しいくソロと続いていきます。

 これでOKテイクと思うのですが、その思いは半分だけの実現となりました。



【エピソード、コロンビア・レコードのジョージ・アヴァギャン その2】

 アヴァギャンは当時のことを回想して、次のように語る。

 「私がカフェ・ボヘミアでマイルスのところにいたコルトレーンとあったのは、一九五五年の末のことであった。彼の姿を見たとき、私は、少し表情には乏しかったが、天使童子を大きくしたような男だなと思った。彼と会話を始めるのは容易ではなかったが、私は彼に内部にあるものを感じ取り、この男はきわめて知的な人間だと思った。私の家系はアルメニア系なので、東方文化に関心を持っていると話すと、ジョンはたちまち打ちとけて、自分が読んだその方面の本や学んだ事柄について語り始めたが、それは当時の私が持っていた知識よりはるかに進んだものだった。彼と話しあうとき、私は彼に眼を見ないではいられなかった。その眼はとても印象的で、私を見るときはいつも深い表情をたたえていた」
(資料01より)



【ついでにフォト】

tp08069-074

2008年 みなとみらい、横浜


(2021年11月20日掲載)