2023年2月8日掲載

Miles Davis
1958 Miles
Columbia原盤1958年5月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

 マイルスのもとにビル・エヴァンスが加わり、ドラムスがジミー・コブとなっての最初の録音が1958年5月26日にあり、4曲が収録されました。その中の3曲がその年の10月に発売され、残りの1曲も編集盤などで発売されていきました。

 しかし貴重なこのセッションを1枚のアルバムで聴きたいとの思いが実現したのは、1979年発売のこのアルバムでした。(1979年発売には諸説あり、備考)

A面
On Green Dolphin Street
Put Your Little Foot Right Out (Fran-Dance)
Stella by Starlight

B面
Love For Sale
Little Melonae(1955年10月26日)

 この1958年5月26日の4曲だけでは32分で短いのでとのことなのでしょう、「Little Melonae」も収録されました。そしてこの曲がその後に、録音日を巡って物議となりました。

1958年3月4日のアルバム「マイルストーン」用セッションでこの曲が演奏されながら、未収録となっておりました。アルバム「1958 Miles」発売時には、そこに収録されている「Little Melonae」は、この1958年3月4日となっていました。だからこそのアルバム名だったのでしょう。

 今となってはこの「Little Melonae」は、1955年10月26日録音のものであるとなっています。(ウィキペディアや、The John Coltrane Referenceなど)

 各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 今では、1958年5月26日の演奏はこのアルバムというのが、一般的な認識でしょう。この日の4曲中3曲が収録され1958年10月に発売された「ジャズ・トラック」や、その後の編集盤が話題になることはなく、この「1958 Miles」が生き残っています。

 紆余曲折となった1958年5月26日の演奏ですが、マイルスにコルトレーン、アダレイにエヴァンスと、光り輝いているものです。そしてすっきりした形でのアルバム化となってから40年以上が経ち、ジャズファンから愛されているアルバムであり続けています。


備考
 私はこのアルバム「1958 Miles」は、日本での編集版として日本人によるジャケットで、1979年に発売され、その後に各国で発売されていった思っている。

 ウィキペディア(Wikipedia日本語版)には1979年発売となっている。ただしWikipedia(英語版)では、1974年発売となっている。しかしながらそこに書かれている収録曲は、この1958年5月26日の4曲と、1958年9月9日プラザ・ホテルから3曲が収録されているとなっている。これがLPレコード1枚ものだと各面30分超えの収録時間となるため、にわかに信じ難い。さらには1979年に日本で発売された際には、プラザ・ホテル分は収録されずに、「Little Melonae」を追加しての発売と書いてある。

 また信用度は別として、ネット上の情報によれば、2000年以降発売のこのCDに「©︎1974」とクレジットされているとある。

 この発売年に関して新たな情報が得られたら、ここに追記していく。