2023年3月10日掲載

John Coltrane
Like Sonny
Roulette原盤
1960年9月録音

 本作品にはコルトレーンが残した、1960年9月8日と1958年11月の演奏が収録されています。

 コルトレーンが黄金カルテットに至るまで、何度かのメンバー交代を行いました。その中で私のサイトでは「第三期」と呼んでいるカルレットでが残した唯一の演奏が、1960年9月8日の演奏です。
John Coltrane(ts),
McCoy Tyner(p),
Steve Davis(b),
Billy Higgins(d)

 この日はユナイテッド・アーティストでのレコーディングであり、1962年に傘下のルーレットからオムニバス・アルバムに収録されて発売されました。
Roulette R/SR 52094 (The Best of Birdland Vol. 1, released 1962)

 この後もいくつもの編集盤でこの1960年9月8日の演奏が発売されてきましたが、気軽に購入できる存在ではありませんでした。

 恐らくは1990年に、今日取り上げる作品が発売されました。

Roulette CD-ROU 1012 (John Coltrane / Like Sonny)

 これには1960年9月8日の演奏を別テイクを含めて収録し、更には1958年11月にジュビリーで行われたレイ・ドレイパーのセッションが丸ごと収録されています。これはレコード会社の再編に次ぐ再編によるものでしょう。

 収録されている1960年9月8日の演奏は次の通りです。
Mr. Day (aka One and Four) (take 3)
Exotica (take 1)
Exotica (take 2)
Like Sonny

 各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 私としては、この1960年9月8日の演奏に気軽に接することができるようになったことは、実に嬉しいものでした。

 この演奏を聴きながら、アトランティック在籍のコルトレーンが、なぜユナイテッド・レコーズ、ルーレットにリーダー録音を残したのかの理由を知りたいと、改めて思いました。

 いずれにしてもこの演奏は、コルトレーンが黄金カルテットを作り上げるまでの過程を知る上で、実に貴重なものです。