2023年2月1日掲載

Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall
Blue Note原盤
1957年11月29日録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

 このアルバムはブルーノートから公式発売されたもので、今までに3種類発売されたモンクとコルトレーンとの演奏を収めたCDの一つで、2005年に発売されました。

 この日のコンサートと音源発掘の過程については、CDのブックレットに詳しくあり、またそれを抜粋して「今日のコルトレーン」に書いてあります。ここでも簡単に触れておきます。

 1957年11月29日にカーネギー・ホールで、「THANKSGIVING JAZZ」との催し物があり、ビリー・ホリデイやガレスピーなどと共に、モンクのコルトレーン入りカルテットが出演していました。この催しを、ラジオ局「Voice of America」が収録していたのです(放送したかは不明)。この「Voice of America」の録音物は、「the Livrary of Congress(国会図書館)」に収蔵されておりました。それらのテープをデジタル化の作業を進めていた際に学芸員が、コルトレーン入りモンクの演奏を発見し、公式発売に至ったのでした。

収録曲
Early concert
Monk’s Mood
Evidence
Crepuscule with Nellie
Nutty
Epistrophy

Late Concert
Bye-Ya
Sweet and lovely
Blue Monk
Epistrophy

 各曲については「今日のコルトレーン」をお読み下さい。なにしろ1957年のコルトレーン参加のモンク・カルテットの演奏が聴けるのですから、それだけでも大満足なのに、さらに実りある内容ですので言葉がありません。

 このテープを発見した学芸員は、Larry Appelbaum氏です。氏はこのカーネギー・ホールのテープを整理デジタル化している中で、「T.Monk」と書かれたテープ箱を見て聴いて、コルトレーン入りと分かり、この貴重さに気が付いたのでした。そしてコルトレーン本「The John Coltrane Reference」の共同編者であるLewis Porter氏と連絡を取り、公式発売に至ったのでした。

 他の学芸員の方が作業を行なっていれば、そのテープは国会図書館に収蔵されたまま今日に至っていたかも知れません。ただただ、Larry Appelbaum氏に感謝です。