John Coltrane
Dakar
Prestige原盤
1957年4月録音
各曲解説「今日のコルトレーン」
テディ・チャールスが仕切ったセッションで録音された全6曲で、本作は構成されています。フロントラインはアダムスとパインというバリトンご両人とコルトレーン、リズム陣はマルにワトキンス、そしてテイラーです。
この演奏が最初に世に出たのは、「Modern Jazz Survey Baritones & French Horns」というタイトルでの12吋16回転盤でした。コルトレーンのリーダー作名義で「Dakar」として世に出たのは、1965年頃のことでした。(詳細はコルトレーン 特集を)
この「今日の1枚」では、自分が持っている盤のジャケを自分でスキャンして掲載しています。これは別に強いこだわりではありませんが、「今日の1枚」を始めた1998年にはこの方法しかありませんでした。今ではネット上に様々な情報があり、上記のキワモノ盤のジャケのイメージもあります。しかしそれをここで掲載するのは、躊躇しました。
それならばこのキワモノ盤を入手しようと思い、渋谷のジャズ盤専門店のご主人に相談しました。この方は大手販売店のジャズ・コーナーの責任者を務めた後に独立し、渋谷でジャズ盤専門店を46年間営んでいます。ジャズの新譜の紹介にこだわってこられ、テテやダスコを日本で人気者した方であります。またオリジナル盤にも精通されている方です。
「独立する前に神保町の店でプレスティッジの12吋16回転盤を見たことがある、コルトレーンのかは覚えてないけど。それ以来、見たことはないよ」
ご主人にお聞きしたらこのお答え、あっさりと入手を諦めました。
コルトレーンの初リーダー作といえば「コルトレーン」です。本作はプレスティッジ商魂による、コルトレーン後付け初録音リーダー作です。
バリトン2本を絶妙に生かして、気分爽快のハード・バップ作品に仕上げています。もちろん、この時期のコルトレーンも楽しめる内容です。
この作品をバリトン2本のコ・リーダー作品として、普通にプレスティッジが発売していれば結構な評判となったと感じますし、今でも発売され続ける作品だと思います。
後付けながらコルトレーン名義の作品として今でも生き続けている作品ですが、後付けだけあり、それも相当な後付けなので、本作はコルトレーン作品群の中では埋もれている存在です。私としてはコルトレーン云々ではなく、この作品が正当に評価される時が来て欲しいものです。