19570420-04

Velvet Scene
(Mal Waldron)
(4分54秒)



【この曲、この演奏】
 ベルベット、ビロードの方が通りが良いかな、織物のことです。ウィキペディアによればフォーマル・ドレスやカーテンに使われているとのこと。そうすると曲名は、ベルベットがある場面のことなのでしょう。しかしウィキペディアにはさらに、「生地としての利用の他、レコード拭きに利用された」とあります。そこに何か音楽的な意味を含めた曲名なのかもしれません。

 至極の端麗さを持つバラッドです。アダムスのソロもこの曲にあった出来栄えですが、コルトレーンのそれは珠玉の出来になっています。贅沢に美しいドレスをまとった麗人がいる空間、曲名の意味するところはこれでしょう。

 コルトレーンはここだけの演奏曲ですが、それはマルも同様です。(資料06,08)

 なぜにマルがこの美しいバラッド曲を再び披露することがなかったのか、不思議な思いです。




【エピソード、オルンスタイン音楽学校】
 コルトレーンはフィラデルフィアに来てから数ヶ月後に、市内の優れた音楽学校の一つのオルンスタイン音楽学校の学生になった。彼は精糖工場で日常勤務しながら、マイク・ゲラ先生の下で音楽を学んだ。

 コルトレーンは早めの誕生祝いとして中古のアルト・サックスを母親から贈られたもので、それは十分に使用に耐えられるものであった。このアルトを使って彼は、ゲラ先生からのサキソフォンのテクニックを学んでいた。その時に様子をゲラ先生は次のように述べている。

 「彼は私の担任のクラスに入って苦労せずにもっとも優秀な生徒となった。あるとき私は複雑なコードを次から次へと書き半音階の特別練習として生地たちに宿題として与えたが、彼は翌日それを学校に持ってきて即座に演奏した数少ない生徒の一人だった。私が教えることを片っ端から覚えてしまい、いつでももっと教えて欲しいとせがむ生徒だった」(資料01)

 資料05には、母親がローンでアルト・サックスを買った支払明細が掲載されている。63ドルを12ヶ月で返済している。またコルトレーンはオルンスタイン音楽学校に通いながら、さらに地元のミュージシャンと日夜ジャム・セッションを行っていたとのことだ。

二度目収録アルバム

【ついでにフォト】

2005年 香港

(2019年6月9日掲載)