19570420-05

Witches’ Pit
(Pepper Adams)
(6分43秒)



【この曲、この演奏】
 曲名を検索すると本セッションが真っ先に検索されるので、「Witches’ Pit」はよく使われる言い回しではないようです。「witch」には「魔女」の他に、「すごく魅力的な女」との意味合いもあるようなので、「魅力的な女の落とし穴」との意味合いなのでしょうか。

 この曲のコルトレーン唯一の演奏記録(資料06)となるここでの演奏は、明るく振る舞うように努めているコルトレーンのソロが、微笑ましいものです。ペインやマルのソロは、魅惑の女性を前にたじたじしている様子。その中でアダムスだけが堂々としている演奏です。アダムスの若い時からの写真からは想像できませんが、この中で女性との縁に長けていたのはアダムスかなと感じました。その後に落とし穴に落ちるのは誰なのかは分かりませんがね。




【エピソード、フィラデルフィアでビル・バロン】
 オルンスタイン音楽学校の同じクラスに、ビル・バロンがいた。ビルはテナー・サックスのテクニックを勉強していた。二人はノース・キャロライナのローカルバンドの話で盛り上がり、二人は友達になった。ビルはコルトレーンのアパートを訪れ、コルトレーンは両親の家に住んでいるビルを訪問していた。彼らの話題は音楽のことばかりで、アルトとテナーの音の違い、特に二つの楽器の音が交わり重なる時の音域について話し合った。

 しかしこの関係も1944年夏にビルが徴兵されて、終わりとなった。(資料01)

二度目収録アルバム

【ついでにフォト】

2006年 香港

(2019年6月10日掲載)