2023年3月3日掲載

The Miles Davis Sextet
Jazz At The Plaza vol. 1
Columbia原盤
1958年9月9日録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

A面
Straight No Chaser (Jazz At The Plaza)
My Funny Valentine(コルトレーン参加せず)

B面
If I Were a Bell
Oleo

 1958年9月9日にコロンビア・CBSは関係者を集めて、セントラル・パークの東南に位置するプラザ・ホテルの Persian Room で、パーティーを行いました。そこでは演奏も行われ、マイルスやエリントン、ビリー・ホリデイやバック・クレイトン、そしてジミー・ラッシングがステージに上がりました。

 それから15年経った1973年に、その模様が発売されました。第一弾は本作のマイルス・セクステット、第二弾はエリントン楽団でしたが、それ以外に発売された様子は見当たりません。

 第一弾のマイルス・セクステットは1973年9月28日に発売され(Wikipedia情報)、メンバーと収録曲は次の通りです。

マイルス・デイヴィス
キャノンボール・アダレイ
ジョン・コルトレーン
ビル・エヴァンス
ポール・チェンバース
ジミー・コブ

A面
Straight No Chaser (Jazz At The Plaza)
My Funny Valentine

B面
If I Were a Bell
Oleo

 コルトレーン参加曲に関しては、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 2ヶ月前のニューポートと同様に、モードへの取り組みは封印し、この時期に発売されていたマイルスの作品にあるジャズの魅力を関係者に披露している演奏内容です。

 コルトレーンとアダレイは演奏せず、マイルスのミュート・トランペットのワン・ホーンで演奏されている「My Funny Valentine」では、後に大物となっていく参加メンバーとの、この時点での格の違いを見せつけるような演奏です。

 このパーティー開催の趣旨は分かりませんが、私には二つの思いがあります。

 まずは今一つの録音についてですが、発売を前提としたものではないので、致し方ないことでしょう。コルトレーンがマイルス・バンドに戻り、アダレイとエヴァンスが参加してのセクステットでの貴重な演奏が聴けることは有り難いことです。

 二つ目はコルトレーンに関してですが、これだけの演奏を目の前で聴いた関係者から、「アイツを取れ」との声になっていれば、その後の状況が変わったことでしょう。良い方向になったのか、悪い方向になったにかは、誰にも分からないことですが、それを空想してみるのも面白いことです。