2023年3月4日掲載

The Thelonious Monk Quartet featuring John Coltrane
Live at the Five Spot – Discovery!
Blue Note原盤 1958年9月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

 多くのジャズファンが聴きたいと思っていた、コルトレーン参加のモンク・カルテットのファイヴ・スポットでのライブ演奏が、1993年にブルー・ノートから発売されました。

 「今日のコルトレーン」に書いた本盤に関する情報について、ここでも触れておきます。

録音は1958年9月11日

 CDには録音時期について、「late summer 1957」とありました。しかしこのCDが発売されてすぐに識者から疑問の声が上がり、調査が進み、割と早い時期に1958年9月11日と判明しました。

 1958年のモンクのファイヴ・スポットはジョニー・グリフィンが参加していましたが、この9月11日にコルトレーンが代役で出演したとのことです。

 ではどうして録音時期が間違った記載になったかについての、私の想像は次の通りです。
 ネイマが関係者に言い残した記憶は「夏の終わり頃」に、録音機をファイブ・スポットに持ち込んだとのことだったのでしょう。これを聞きブルー・ノートは、「1957年の夏の終わり」と録音日をクレジットしたのではないでしょうか。

収録曲
Trinkle, Tinkle
In Walked Bud
I Mean You
Epistrophy
Crepuscule with Nellie

 各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。
この1958年のモンクとグリフィンのファイヴ・スポットはリヴァーサイドから2枚のアルバムで発売されており、今でも人気盤となっています。それとこの、コルトレーンとのモンクの1958年を聴き比べるのも、興有りのことでしょう。

 コルトレーン参加のモンク・カルテットの1957年の演奏は、カーべギーホールでのものが2005年に発売されています。

 では1957年のファイヴ・スポットは聴くことができないのかとなると、実は2曲だけ聴くことができるのです。2006年に発売されたブートレグの中の2曲が、1957年7月のものであろうと言われています。