19580911-01

Crepuscule with Nellie
(Thelonious Monk)
(2分49秒)



【この曲、この演奏】
 モンク作のこの曲は、コルトレーンがリヴァーサイドでモンクと行った2度目のスタジオ・セッションである1957年6月25日に、3回演奏している。この他にも1957年のファイヴ・スポット長期出演で何度も演奏されていたことだろう

 ゆったりと会場の雰囲気を確かめるように、久しぶりのコルトレーンとの間合いを確認するように、この曲が演奏されています。




【エピソード、歓喜と疑問】
 コルトレーン・ファン、モンク・ファンに限らず、この二人が長期出演した1957年のファイヴ・スポットの演奏を聴きたいとの思いは、多くのジャズ・ファンが持っていたものだった。

 存在しないと思われていたその音源が、1993年に発売されたのだ。アルバム名は「Live at the Five Spot – Discovery!」である。ジャズ界では1970年台から今に至るまで数々の「発見(Discovery)」があったのであるが、この言葉が相応しいのはこの1993年のことであろう。

 当時のコルトレーン夫人であるネイマが、ポータブル・レコーダーを持ち込んで、1本のマイクで録音したものである。その音の雑音混じりには残念がりながら、多くのジャズ・ファンが歓びの中で本作品を聴いたである。

 CDには録音日について、「late summer 1957」と書かれていた。これは私の想像であるが、ネイマが言い残した記憶は「夏の終わり頃」に、録音機をファイブ・スポットに持ち込んだのであろう。これを聞きブルー・ノートは、「1957年の夏の終わり」と録音日をクレジットしたのではないだろうか。

 しかし、このCDが発売された直後から、識者から1957年の録音であることに疑問があがった。ドラム奏者はロイ・ヘインズとクレジットされており、確かにヘインズの演奏なのであろうが、ヘインズが1957年にモンク・カルテットでファイブ・スポットに出演していたことが、疑問となったからだ。

初収録アルバム

【ついでにフォト】

2013年 みなとみらい

(2022年5月31日掲載)