2019年4月3日掲載

Sonny Rollins
Tenor Madness
Prestige原盤
1956年5月録音

コルトレーン参加曲解説

A面
Tenor Madness
When Your Lover Has Gone

B面
Paul’s Pal
My Reverie
The Most Beautiful Girl in the World

 この「今日の1枚」では、24枚のロリンズの作品を取り上げてきました。その中で本作と同じ1956年録音の作品は4枚あり、どれもプレスティッジへの吹き込みであり、それも味わいあるものです。本来ならば本作品は真っ先に「今日の1枚」で取り上て然るべきなのですが、コルトレーン関係作品ということで、今回となりました。

 「コルトレーンとのレコーディングを狙っていたロリンズは、マイルス・バンドのリズム陣でレコーディングすればコルトレーンも付いて来て、そこにチャンスがあるのではと計画した」との説を、私は一般的な説よりも信じたいです。詳しくは「今日のコルトレーン」を参照願います。

 コルトレーンとの曲の他には、カルテットで4曲演奏している作品です。

 タイトル曲以外の4曲、つまりカルテットでの4曲には、不満が残る内容です。控えめなロリンズ節ですし、リズム陣の良さも活かし切っていないです。ガーランドのブロック・コードの美しさと、ロリンズ節の男気がぶつかり合えば、素敵な演奏となったことでしょう。コルトレーンとの一戦に備えた準備運動、というのは勘ぐった見方なのでしょうかね。

 こう考えると、何故にボブ・ワインストックはロリンズとコルトレーンのぶつかり合いで本作を計画しなかったのかとの疑問になります。そこはやはり、人気者ロリンズはワン・ホーンで作りたい、或いは2管ならばトランペットで、との考えがあったのでしょう。ボブは深く考えていなかったとも思うのですが、これはあまりにも失礼なこと。しかし全曲がコルトレーンとの共演だったならば、名盤となっていたことでしょう。