19611102-04

Softly As In A Morning Sunrise
(Romberg – Hammerstein)
(6分38秒)



【この曲、この演奏】
 オスカー・ハマースタイン2世とシグムンド・ロンバーグのコンビによるこの有名曲は、1928年のミュージカル「ニュー・ムーン」から生まれた曲で、「恋人よ我に帰れ」もこのミュージカルから生まれています。「朝日のようにさわやかに」との邦題のこのスタンダードですが、「そっと、朝日のように」との意味が正しいものです。(資料14)

 資料07によれば、この曲の明確な演奏記録は、このヴィレッジ・ヴァンガード二日目だけです。参考までにとの情報では、コルトレーンはこの曲を他にも2回演奏しています。1964年10月から11月にかけてのギル・エヴァンスのセッション、そして1966年7月22日に東京ヴィデオ・ホールにおいての、日本人ジャズマン達との共演セッションです。

 ヴィレッジ・ヴァンガード四日間の演奏記録を眺めるだけでも、この曲の演奏が浮いた存在に感じます。全9曲の中で、コルトレーン作の曲が7曲、そしてコルトレーンが以前にレコーディングで取り上げたのが1曲(Greensleeves)、そしてこのスタンダードです。私のうがった見方なのですが、このヴィレッジ・ヴァンガードは必ず発売する、その中に誰もが知っている曲を入れたい、とのインパルス!側の要望が、この曲の演奏になったのでしょう。(あくまで私見、念のため)

John Coltrane(ss)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Elvin Jones(d)

 ドルフィー抜きのカルテットで演奏されています。

 さてその演奏ですが、テーマはコルトレーン抜きでマッコイのピアノが主役で始まります。軽やかなその演奏に引き続き、2分半のピアノ・ソロとなります。洒落た解釈でのピアノ、そしてエルヴィンのブラシ、さらにはワークマンのウォーキング・ベースを楽しめるものです。後半は徐々に恋のもつれの場面の様子を表現していきます。続くのはコルトレーンの2分半のソプラノ・サックスでのソロです。こちらは、恋の結末なんでこんなものさ、と言いたげな激しい演奏で終始しています。その雰囲気そのままで、後テーマとなり、演奏は終えてます。その最後のわずかな瞬間に、ドルフィーがアルトを吹いていると聴いたのは、私だけでしょうか。

 さて私のうがった見方の二番目ですが、ピアノを引き立てた演奏をとの思いが、インパルス!側にあったと思います。(あくまで私見、念のため)

 この演奏は1962年に世に出ました。




【エピソード、ボブ・シール その4】
 シールは兵役についた、ニューヨーク周辺の湾岸警備隊に配属され、何の危険もなく兵役を終え、成人した。その頃のレコード業界は、叩き上げのベテランがひしめく厳しい世界となっていた。彼らは自社のレコードをラジオ局やレコード店に売り込むために競い合っていた。そんな中でシールは制作の資金繰りと商品の流通に頭を抱えていたが、それはどこも同じであった。

 財務に不慣れで、古き良き時代を偏愛するシールが経営するシグネチュアは、一向に安定しなかった。急に思い立ってニューオリンズやハリウッドへキャンペーン旅行に行き、あちこちでパーティを催しながら、一方で会社の舵取りをするというのは無理な話だった。やがてシールは、旅回りのレコード・プロデューサーとなっていた。

そんなレコード業界の中で、やはり大手の経営は安定していた。シールを最初に拾った大手レーベルは、デッカであった。デッカにはジャズ狂のミルト・ゲイブラーがいた。彼は自身でコモドア ・レーベルを立ち上げ、戦後それはデッカの傘下に入っていた。シールはそのデッカで、コーラル・レーベルを担当することになった。(資料13より抜粋)

初収録アルバム
収録アルバム
収録アルバム

【ついでにフォト】

2005年 香港、赤柱での龍舟競漕

(2021年1月22日掲載)