19610321-01

Teo
(Miles Davis)
(9分32秒)



【この曲、この演奏】
 名プロデューサーのテオ・マセロの名をとったモーダルな8分の6拍子の曲(資料09)ですが、コルトレーンの演奏記録はこのセッションだけです。

 さて演奏ですが、出だしにベースからスペインの風を感じるもので、すぐにマイルスのトランペットが登場し、キラキラと輝くテーマを聴かせ、そのままアドリブ・パートに入り、聴く者をうっとりとさせる演奏を繰り広げています。短めのピアノを挟んでコルトレーンのソロとなり、硬く輝くテナー・サックスの演奏となっています。この二人の音色を味わうだけでも大満足ですが、コルトレーンは微かにスペインを感じる熱演を繰り広げています。

 再びマイルスが登場し、再び酔わせる演奏を行い、この曲の演奏が終わっていきます。


 1955年10月から始まったマイルスとコルトレーンの共演は、1957年にはお休みとなりながらも、1958年から1960年4月まで続きました。その4年半で最後かとなるところ、いくつかの事柄が重なって、1961年3月の二日間、わずか二曲での共演となりました。それもこの演奏で、二人の共演は全て終わったのでした。




【エピソード、本セッションについて】
 前日に引き続きコルトレーンが参加しており、前日同様に3曲中最初の演奏曲(Teo)だけにコルトレーンが参加している。

 前日のコルトレーンの演奏がこの日も欲しくなったマイルスが、再びコルトレーンにゲスト参加を要請し、アポロ劇場出演中のコルトレーンは最初の1曲だけに参加した。
 これが誰もが想像することであろう。

 前日のセッションと違うのは、コルトレーンが参加した曲(Teo)に、モブレーが参加していないことだ。この点も踏まえて、諸説がまことしなやかに語られている。

 コルトレーン参加の最初の曲以降に2曲が演奏されており、なぜだか最後の曲ではドラムスがフィリー・ジョーに替わっている。

初収録アルバム

【ついでにフォト】

2013年 みなとみらい

(2022年7月22日掲載)