You’re a Weaver of Dreams
(Victor Young & Jack Elliott)
(5分31秒)
【この曲、この演奏】
ヴィクター・ヤング作のこの曲ですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。
なおこの曲ではキャノンボール・アダレイは演奏しておりません。
心安まるバラードを演奏させたら、この1959年のジャズ界でコルトレーンはトップクラスの存在であることを存分に味わえる演奏です。テーマからアドリブ・パートへとコルトレーンの演奏が続き、次にはケリーのソロとなります。これも薄い味付けながら印象に残る演奏を披露しています。
再びコルトレーンがテーマを演奏し、穏やかな気分が終わっていきます。
【エピソード、コルトレーンとアダレイの違い】
このアルバムのライナー・ノーツでドン・ヘックマンが、二人の演奏について次のように書いている。
原メロを前面に打ち出そうとする姿勢は両者に共通だが、コルトレーンの場合は、そのメロディをクリーンに吹奏することが第一の関心事で、その次には、メロディの中にあるおなじみの要素を、少しずつ、もっと複雑な連結音におき替えていく。ところがアダレイのほうは、終始メロディの枠内、ないしはその周辺にとどまって、それを飾ったり化粧したりしながら、コルトレーンなら決して採用しないようなやり方で、メロディの持つ基本的特徴を他のものに変装して行く。こうしたコンセプションの相違一つを取ってみても、そこに、両者の鮮烈な音楽的個性が反映されていることがわかる。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年6月29日掲載)