Wabash
(Cannonball Adderlay)
(5分42秒)
【この曲、この演奏】
この曲の作者であるアダレイのこの曲の演奏記録は本セッションだけのようです。(資料08)
コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。(資料07)
アダレイの陽気さが伝わるファンキーな曲ですが、テーマではアダレイとコルトレーンが仲良く演奏しています。そしてアダレイのソロは歌心満載の聴き入るものですが、コルトレーンのソロには元気が感じられないものになっています。
ケリーとチェンバースのソロがあり、再びテーマとなって、演奏は終わっていきます。
【エピソード、リヴァーサイドとマーキュリーで一悶着】
キャノンボール・アダレイが自分のバンドでライブ録音した、リヴァーサイドからのアルバム「The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco」は、大ヒットしていた。1959年10月に録音されて、どうやらすぐに発売されたようである。そして1960年5月の時点で5万枚を売り上げていた。(Wikipedia)
経緯は不明であるが、リヴァーサイドに所属しているアダレイが、マーキュリーからリーダー作を発表することになった。マーキュリーはこの1959年2月3日の録音を、アルバム「Cannonball Adderley Quintet in Chicago」として、1960年9月頃に発売した。
このマーキュリーからの発売に関して、リヴァーサイドが強く苦情を入れたとのことだ。理由は二つある。
先ずはこの2月3日の演奏は、「マイルス抜きのマイルス・セクステット」であって、アダレイのクインテットではないことである。
そして大ヒット中のリヴァーサイドからのアルバム「The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco」と酷似したタイトルである点であった。
結果としてマーキュリーから頭の「The」を除いたアルバム名で発売されたのであった。(資料07)
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年6月28日掲載)