Trinkle, Tinkle
(Thelonious Monk)
(9分50秒)
【この曲、この演奏】
4回あるモンクとコルトレーンのスタジオ録音の最後となる1957年7月のセッションで、この曲が演奏されています。
切れ味良いモンクのピアノがテーマを奏でて、そこにコルトレーンが向かい合っていきます。ソロはコルトレーンが先に取り、それは5分半ほどのものです。テンポ良く調子が良さそうなコルトレーンのこのソロの前半では、モンクがボールを投げるかのようにピアノを弾いていきます。なかなか聴きごたえあるものです。
コルトレーンのソロの後半では演奏を控えていたモンクは、その後に3分弱のソロを披露し、そのままテーマとなり、演奏は終わっていきます。
【エピソード、演奏年月日のほぼ確定】
資料06の共同編者の一人である Lewis Porter が、この「Live at the Five Spot – Discovery!」は1958年9月11日であるようだとの情報を、資料06編纂スタッフに1994年2月26日付の手紙で知らせた。この情報は Peter Keepnews(Orrin Keepnews の息子)が、出版予定のモンク本のための調査で分かったことである。Peter が Joe Termini(WikipediaによればFive Spotの経営者)のファイルを調べて、録音日が1958年9月11日らしいとの情報を得たようだ。
今では1958年9月11日であるとの確定情報で扱われることが多いが、資料06では「seem to have been recorded」との表現となっており、その資料06の改訂版である資料07(2008年刊行)では「Probably」との表現を用いている。
余談であるが資料06は1995年発刊であるが、編集後記が1994年春分(3/21)となっていることから、編集終了はその時期であったようだ。資料06本編ではこの録音は1957年のlast summerとなっている。上記の Lewis Porter からの情報は、資料06の「Addenda(補遺)」として最後に追加されている。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2022年6月11日掲載)