Love and the Weather
(Irving Berlin)
(4分4秒)
【この曲、この演奏】
1947年にアーヴィング・バーリンが作ったこのポピュラー・ソングですが、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。
春の日差しを浴びながら賑やかなパーティに似合うようなこの曲を、アップテンポで演奏しており、テーマでのアレンジが光っています。5人がソロを取りますが、ここではアルト奏者のジーン・クイルがお休みなので、コルトレーンもソロを吹いています。ソロの先発となったコルトレーンは、柔らかでリズミカルな演奏を行なっており、彼らしさを出しながらもこの場の雰囲気にしっかりと合わせた演奏となっています。
楽しい演奏を繰り広げるメンバーの中で、コルトレーンは状況に応じた演奏ができることを示したのでした。
【エピソード、このセッションでの演奏曲】
このセッションでは5曲が演奏され、そのうち4曲がアルバム「Winner’s Circle」に収録された。私は1991年に国内発売されたCDで、この4曲を聴いてきた。
残り1曲は「Strictly Instrumental」であり、これはJazztone から ヨーロッパ向けに発売された規格番号 J 1245 のアルバム「Modern Jazz Festival」に収録された(発売年は分からず)。
そしてここで誤解が生じた。資料09には、「デビッド・ワイルド他のディスコグラフィーによると、Jazztone-1245 にこのチューンが収録となっているが、このアルバムには、トミー・ドーシー、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー等のオムニバスで同曲は収録されていないようである」とある。
Jazztone からアメリカ向けに発売された規格番号 J 1245 のアルバムは「The Great Swing Bands」との名前である。ヨーロッパ向けの「Modern Jazz Festival」とは別物がアメリカで発売された。もちろんこの1957年10月のセッションにある「Strictly Instrumental」は収録されていない。(資料07より)
そんな経緯の「Strictly Instrumental」だが、このアルバムの何度目かのCD発売で「Winner’s Circle +1」とのタイトルになり、この曲が収録された。わたしはこれを購入しなかった。
1994年に発売されたCD2枚組「John Coltrane / The Bethlehem Years」を、わたしは購入された。コルトレーンがベツレヘムでの二日間のセッションの全てが収録されているとの宣伝文句だったので、当たり前のように「Strictly Instrumental」が収録されていると思っていた。
しかしながら「Strictly Instrumental」は収録されてなかった。その後もコルトレーンのベツレヘム完全版なるような宣伝文句のアルバムが発売されたが、私は購入を逃したままであった。
従って、残念ながら、このセッションにある「Strictly Instrumental」は未だに聴いたことがない。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい
(2022年2月26日掲載)